世界中で神に最も愛された人はイエス・キリストでした。神はキリストに、「これは、わたしの愛する子、私はこれを喜ぶ」(マタイの福音書3章17節)と言われ、キリストも弟子たちに、「父(なる神)がわたしを愛されたように、わたしもあなたがたを愛しました」(ヨハネの福音書15章9節)と言われました。
この神に最も愛されたキリストの人生は、あらゆる苦難に満ちた人生でした。しかもその最後は、すべての人間のみならず神からも見捨てられた十字架の悲惨な死でした。ところがキリストは、この苦難に満ちた人生を、神に最も愛された人生として感謝されたのです。
キリストは、ご自分に与えられたすべての神の恵みを人々に与え、いのちさえ喜んで与えて、神と人、敵をも愛されました。愛の神はキリストを、このような完全な愛を示す者にするという偉大な愛をもって愛されたのです。神の愛は、キリストを、罪と悪、試練と誘惑に苦闘して勝利し、神に逆らう私たち罪人の救いのために喜んで十字架の苦しみを受ける者にするという、驚くべき愛なのです。
神の愛は、聖なる神に愛されるはずのない私たちを愛してご自分のものとし、さらに、私たちを神が愛するのにふさわしい者(=キリストに似た者)に変えられる愛です。
多くの苦しみは私たちをキリストへ導きます。私たちは自分がした悪の結果として苦しむ場合もありますが、神は因果応報の神ではありません。神は、私たちがいろいろな問題や苦しみに直面して、自分の罪、愚かさや弱さを認め、罪の赦しと知恵、愛と力を与えてくださるキリストを信じるように願っておられます。キリストも、「すべ
ある苦しみは、父なる神の愛のむちです。私たちが神に逆らうとき、神は私たちをご自分の愛する子どもとして懲らしめられます。そして私たちを、キリストのように神のみこころを行なう神の子どもとして成長させてくださるのです。
父なる神はまた、訓練としての苦しみを与えて私たちを成長させてくださいます。キリストは、「わたしの願うことではなく、あなたのみこころのままを、なさってください」と、父なる神に祈りつつ、愛の神から、世界の救いのための十字架の苦しみを受けられました(マルコの福音書14章36節)。私たちも、自分の願いを捨てて、神のみこころが実現するために自分が受けなければならない十字架(苦しみ)を負って歩みます。私たちはまた、キリストのように、さまざまな試練と誘惑の中で神とともに生きる者として成長します。真実な神は私たちを耐えられない試練や誘惑にあわせられませんが、キリストのように、神が自分を見捨てられたとしか思えないようなときでも、神を神として信じていく者とされることが私たちの目標です。
キリストは、私たちが人生で経験するすべての苦しみを経験されたので、苦しみの中にいる私たちを理解し、助けることがおできになります。同様に神は、私たちがキリストのように、苦しみの中にいる人々を理解して慰めることができる者となるためにも、私たちに苦しみと慰めをお与えになります。
キリストのように、神と人を愛し、敵をも愛して生きる者になるためには、私たちは多くの苦しみを経験しなければなりません。家族を愛するためにも私たちは多くの苦しみを経験します。まして、自分を苦しめる人々を愛するために、どれほどの苦闘をしなければならないことでしょう。神が私たちを、神と人を愛するために喜んで犠牲を払い、他人の悪ゆえの苦しみでも、神がお与えくださるなら喜んで受けることができるような、キリストに似た者にしてくださるならば、それこそ、神からの最高の祝福なのです。
私たちは、永遠の神の国を待ち望んでいます。そこで、私たちは人生のすべての苦しみの意味と目的を、愛の神から説明していただくことができます。そして、神の国では、私たちがキリストに似た者に変えられて、心から神と人を愛する者になりますから、もう苦しみは永遠に一つもありません!
後藤喜良著「キリスト教 ここが聞きたい! Q&A 21」(いのちのことば社)より抜粋
迷っているとき、悩んでいるとき、苦しいとき…。そんなときは、聖書のこの個所を読んでみてください。
⇒ 孤独でさびしい
⇒ 悲しい、慰めがほしい
⇒ へこんで、立ち直れそうもない
⇒ 疲れた
⇒ 失敗できないことが目前に迫っている
⇒ 悪い習慣がなかなかやめられない
⇒ 決断できない
⇒ 健康を害している
⇒ 外見や人目が気になる
⇒ 不安だ。安心したい
⇒ ほしい物が尽きない
⇒ あれこれ心配して眠れない
⇒ 年をとるのが怖い
⇒ 死ぬのが怖い
⇒ 自分は価値がないと感じる
⇒ 人と比べて、自分なんてダメだ
⇒ 人が赦せない
⇒ やってはいけないことをしてしまった
⇒ 人に傷つけられた
⇒ 嫉妬を感じる
⇒ 人を愛したい
⇒ 友だちのことで悩んでいる
⇒ 自分の思い通りにいかない
⇒ ことばで人を傷つけてしまった
⇒ 夫婦関係がぎくしゃくしている
⇒ 子育てに不安を感じる
⇒ 本当に大切なことはなんだろう
⇒ 変わらないものなどあるのだろうか
聖書で語られる神の物語を見て、聞いて、知ってください。
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⇒ イントロダクション
⇒ 第1章:はじめに
⇒ 第2章:選択
⇒ 第3章:死をもたらす病
⇒ 第4章:約束の前ぶれ
⇒ 第5章:祝福となるために
⇒ 第6章:神の約束による民族
⇒ 第7章:神の道を歩むように召される
⇒ 第8章:約束された方
⇒ 第9章:イエスの働き
⇒ 第10章:神の愛と正義が交差する
⇒ 第11章:イエスは復活した
⇒ 第12章:イエスに従う者たち
⇒ エンディング